失踪宣告を取り消した場合の相続

テクスチャー12もし失踪者の所在や生死が明らかになった場合は、失踪宣言を取り消さなければなりません。失踪宣言が取り消されると、失踪宣告後相続により財産を得た者には、失踪者が得るはずだった財産を返す義務が生じます。この場合、失踪者の生死を知らなかったことを意味する「善意」で財産を得た者と、その生死を知っていたことを意味する「悪意」で財産を得た者とでその義務の範囲が異なってきます。
善意で相続財産を得た者の場合は、「失踪宣告の取消しは、失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない」という民法32条1項後段の文言が適用され、当然取り消しにより失踪宣言後に得た相続上の権利を失いますが、財産の返還義務は、失踪者が得るはずだった全ての財産を返還する必要はなく、手元に残っている得た財産の範囲(=現存利益)で足ります。またもし善意で相続財産を得た者が、失踪者の生死を知っている悪意の第三者に転売した場合は、たとえ悪意の第三者であっても、その所有権を主張できるとされています。
一方悪意で相続財産を得た者の場合は、民法32条1項後段の文言は適用されず、失踪宣言後に受け取った失踪者が得るはずだった相続財産を全て返還しなければなりません。

コメントは受け付けていません。

最近の投稿